予定納税とは、端的に説明されると税金を前払いできることを指します。
前年の納税額をもとにその年の予定された納税額の一部を支払うことができます。
チェックしておくべき点は、対象となるのは確定申告で税額が一定金額以上となった人とされているため、税務署から突然通知が届くため驚く人が多い制度でもあります。
そのような予定納税制度は、一般的に所得税を対象としたケースが多く、1年分の納税額を分割して支払うことができ、納税にかかる負担を低減させることが可能となるのが特徴と言えるでしょう。
その仕組みは所得税のみならず、消費税や法人税でもその年の税額の一部をあらかじめ納付することにも利用されており、納税者と徴収者双方にメリットがあるものとして取り入れられています。
コラム:No.2040 予定納税|国税庁
予定納税の仕組み
予定納税の仕組みとしては、所得税の場合基準額が15万円以上である場合に行う必要があり、その年の5月15日時点で確定している前年分の所得金額や税額から、その年の納税額を算出した金額を支払うかたちとなります。
対象者には税務署から6月15日までに通知書が届き、通知書を受け取った倍は原則として納税する仕組みとなっています。
また、この納税のかたちは年に2回に分けて行われ、納税基準額の3分の1に相当する金額を第一期分として7月31日まで、続いて第二期分として11月30日までに納付するのが主な流れです。
一方で支払う金額は、減額申請することで軽減することができ、業績悪化や廃業などでその年の6月30日時点での所得税見積もり額が基準額を下回る場合は申請をして負担を減らす仕組みにもなっています。
消費税の予定納税の仕組み
消費税の予定納税の仕組みとしては、中間申告として前年の消費税の年税額が48万円を超えた人が対象となります。
直前の確定消費税額によって中間申告の回数が異なり、48万円から400万円以下の人は年に1回、400万円から4800万円以下の人は年に3回、そして4800万円以上の人は年11回の申告と納付が必要となります。
中間申告が近づくと税務署より中間報告書と納付書が送付され、その書類には直前の確定小税額にもとづいて計算された中間納付税額が記載されています。
また、直前の確定消費税額のほかにも仮決算にもとづいて申告および納付することも可能とする仕組みをもつ点が特徴と言えるでしょう。
法人税の場合
法人税の場合にも別の仕組みがあり、その中間申告の対象となるのは前事業年度の確定法人税額が20万円を超える場合となります。
ここで特徴的なのは、基本的に原則として設立1年目の法人やNPO法人はその対象から外されるという点にあるでしょう。
これは設立1年では立ち上げるためのあらゆる資金が必要となるという傾向から出された措置で、設立して間もない事業者の負担を軽減させるために対象から外しています。
法人税の中間報告書の提出期限と納付期限は事業年度開始の日以後半年を経過した日から2か月以内となっています。
計算方法としては前年度実績にもとづく方法のほかに、仮決算による計算方法も利用できるのが特徴です。
まとめ
このように予定納税には様々な税によって定められています。
一方で納付方法の仕組みは簡単で、納付書を直接税務署に持参し現金で納税する方法と、指定された金融機関の口座より納税金額を振り替える方法、そして昨今インターネットの普及に伴ってオンラインのシステムを利用して納税するという3つから選択できます。
直接納税には口座の設定やオンライン取引のための手続きなどをせずに済むメリットがあり、振替納税では口座を指定しておくことによって自動的に取引が行われ、オンライン納税では自宅にいながらにして全て済むなど、それぞれメリットがあります。